ライトアップの軌跡


このページでは、2017年に「冬に咲くさくらライトアップ」を開始するまでのいきさつや、これまでの実施実績を年度ごとに説明しています。

過去のライトアップで現れた光景を撮影した写真なども見られますので、ご来訪の参考になれば幸いです。


2016年 きっかけは一枚の写真から

 

2016年2月、当時弘前市相馬地区の地域おこし協力隊員だった米山は、鉄道や風景を始めとする写真撮影を趣味としていました。

真冬の弘前公園外堀でピンクがかった街灯がうっすら当たる場所があることに気づき、雪がこんもりと桜の木の枝に積もったところを撮影しました。

下がその時の雪桜の写真です。

これをSNSに投稿したところ、

「うわっ、すごく綺麗なさくらですね!」「これ、春でしょ?…えっ、冬なの??」

と反響が広がりました。

弘前の桜を見慣れている地元住民の方からも同様の意見が相次いだことから、米山は「もしかしたら…冬の面白いコンテンツになるかもしれない」と考えるようになり、ライトアップの実現に向けて弘前市職員や住民、大学生たちなどに意見を伺いながらプランを練っていきました。


2017年、各所から支援を得て冬のライトアップ開始

 

クラウドファンディング成功、実現へ

 

2017年9月、クラウドファンディングサイトCAMPFIREで、冬の弘前公園で春のさくらを思わせるようなライトアップ「冬に咲くさくらライトアップ」の実現を目指すプロジェクトがスタート。

目標額30万円を大きく上回る413,000円と、クラウドファンディング以外からの30万円以上、計73万円以上もの支援を得たことから、ライトアップする箇所を当初の東門から弘前市役所本庁舎付近の外濠に移しての実施となりました。

SNS経由で数多くのメディアに掲載

 

12月18日には「試験点灯」として初めてライトアップを点灯。この日はあいにく枝への着雪が少なかったのですが、翌日19日には大雪が降り、急遽試験点灯をやり直したところ、「満開」の桜を撮影することができました。

 

この写真のツイートが2.6万件を超えるリツイートを得るなど大きな反響を呼び、本点灯の前から多くのメディアに紹介されました。

 

📌反響のコメントより(一部)

「本物の桜かと思いました! とっても幻想的で癒されますね 是非実際に行ってみたいと思います。」

 

「なんか観たことあるって思ったら本当に弘前だった。 雪景色も美しいですね!是非ともまた訪れたいです!」

 

「TLに飛び込んできたときに、ほんとに桜の写真かと思いました。 桜の美しさと儚さと、冬の澄んだ空気に雪の白さと透明感が幻想的で美しいです。本物を見たくなりました(/ω\*」

点灯式には支援者、弘前市長も参加

 

本点灯の初日となった12月22日には追手門広場で点灯式を行い、実行委員、支援者、葛西弘前市長(当時)も集い、桜色のキャンドルを手に点灯の様子を見守りました。

また、津軽笛奏者の佐藤ぶん太、さんによるオリジナル曲「冬桜」、相馬囃子キッズの演奏も披露されました。



2018年、平成最後の冬に2回目のライトアップを実施

弘前市民団体との連携を横に広げた2年目

 

2度目となる2018-19年のさくらライトアップは、様々な地域団体との連携を広げる取り組みになりました。

 

クラウドファンディングのリターン品に津軽の伝統工芸こぎん刺しサークル「みんなのこぎん(旧スタバdeこぎん)」メンバーによるこぎん刺しグッズ、

県外・国外からのゲストを迎えるプレゼントに「ひろさきアフタースクール」他ボランティアによる桜の折紙を手渡しました。

 

またクラウドファンディングだけではなく、弘前市の「市民参加型まちづくり1%システム」に採択され、ライトアップの範囲も広がりました。

こぎん刺しマカロンストラップ

桜の折り紙

マレーシアからの観光客グループ


JR東日本の駅ポスターにも採用され、首都圏をはじめとした3000以上の駅で掲出。大きく注目を集めました。

2018年当時のメディア掲載

  • 東横イン 客室専用誌「たのやく」2019年2月号(Vol.178)
  • 週刊現代 2019/02/16号(2019/02/04発売)の「絶景日本遺産」
  • グラフ青森 青森の暮らし 418号(2019 1・2月号)
  • LINE NEWS 02/02配信の「なにここ行きたい!」(配信元記事:女子旅プレスさまの雪景色に咲く満開の桜!青森の“日本さくら名所100選”でピンクライトアップ)

2019年、令和初の冬に3度目の冬桜を咲かせた

令和最初の年となった2019年の冬も、多数のみなさんのご支援を持って、3度目の冬に咲くさくらライトアップを実施できました。

この回では、弘前の「冬から春へ」の移り変わりを楽しんでいただこうと、ピンクだけではなく青色に「色を切り替えるライトアップ」を実施しました。

 

あいにくの記録的少雪となった年でしたが、市内外から多くの方が訪れる年末年始と、「弘前雪燈籠まつり」が開かれる2月中旬に「見頃」となり、たくさんの感嘆のお声をいただきました。



2020年、コロナ禍に悩む街に4度目の冬桜を届けた

新型コロナウイルス(コロナウイルス2019)の感染拡大で日本各地も暗い話題に包まれた2020年。

弘前も春・夏・秋のまつりや多数のイベントが中止になったり、大規模感染事案が発生したりするなど、暗い一年となってしまいました。

 

このような情勢を受け、「冬に咲くさくらライトアップ」を実施すべきか、ギリギリまで悩みましたが……冬の屋外で実施するという性格や、少しでも明るい話題を作れればと思い、実施を目指しました。

結果としては、全国のみなさんからご支援を賜り、4度目となる「冬に咲くさくらライトアップ」を実施しました。

弘前市さまのご協力もいただき、前回の約2倍となる

「弘前市民会館前~追手門前~青森地裁弘前支部~東門前(文化センター前)」

約1kmに連なるさくらの木210本を、212台のLED投光器で照らしています。

※前回実施した、ピンクだけではなく青色に「色を切り替えるライトアップ」は、密集を避けるため見送りました。

 

お越しいただいたみなさまには、マスクご着用や手指消毒、密集の回避などの感染防止策を取っていただきながら、ライトアップのご観賞や弘前・津軽地方のまち歩きをお楽しみいただけました。



2021年、5度目の冬桜は過去最多のご支援でさらに進化

2021年も新型コロナウイルスが猛威をふるい続けた年。

日本各地で多くの方が感染し治療を余儀なくされたほか、多数のまつりやイベントの中止が相次ぐなど、暗い話題に事欠かないご時世でした。

 

この冬もライトアップを実施すべきか悩みましたが、前年度ではライトアップの観覧を起因とする感染事例が認められなかったことや、「沈んでいた気持ちが明るくなった」というお声をいただいたこと、また冬の楽しみになれば…との思いから、5度目の実施に踏み切りました。

引き続き弘前市さまのご協力をいただけたことで、私たちはライトアップに使用している機材や点灯制御の刷新に集中できました。

点灯範囲を多くの方が訪れる「弘前市民会館前~追手門前~青森地裁弘前支部前」の約600mに絞る一方、足元を照らす明かりを追加するなど多灯化しました。

加えて、過去最多となる130名以上の方からご支援いただいたクラウドファンディングのお金でフルカラーLED投光器を導入し、ピンク色と白色の2色を切り替える制御を行うことで、以前から市民の方からリクエストをいただいていた「晴れた朝方に白く輝くさくら」を表現しました。

更に、ライトアップ開始後「近くにいるたか丸くん像が暗いとかわいそう」とご意見いただいた市民の方から施工費用をいただいたことから、ライトアップの色と同じピンク色に照らしました。

大勢の方々のおかげで、本ライトアップは一層華やぐ空間になったと思います。

 

そして、この回も現地までお越しいただいたみなさまに、マスクのご着用や密集の回避などの感染防止策をお取りいただきつつ、ライトアップのご観賞や弘前・津軽地方のまち歩きをお楽しみいただきました。



2022年、ライトアップ開始から5周年

コロナ禍3年目ながらも少しずつ人の行き来が増えてきた2022年に、本ライトアップは開始5周年を迎えました。
より美しいライトアップになればと考え、さらにライトの光量を上げ、弘前の四季をイメージした点灯色を追加したほか、雪が少なくライトアップが「見頃でない」時でも楽しめるように…と金魚ねぷたを設置するなど、新しい表現も試しました。

 合わせて、本ライトアップのこれまでの軌跡を振り返る展示会を弘前市内で実施し、写真約30点や過去のクラウドファンディングで提供させていただいた返礼品などを展示しました。会場で賜った貴重なご意見は、次年度以降のライトアップに反映させていきます。